「うちの子は、計画を立てるのが苦手なんです」
「うちの子は、計画通りに進められないんですよね」
そんな悩みをよく耳にします。
ですが、こどもに実際に聞いてみると、どうやら「計画の立て方が分からない」そうです。
つまり、こどもはどうやって計画を立てればいいのかわからないため、計画を立てることができないようです。
親であるあなたはこのことを知っていましたか?
最近、大人でも計画を立てることができなかったり、計画実行力が低い方が増えています。
これは社会人として、「まずい」です。
ベネッセ教育総合研究所の調査で、小学4年生で約半分、中学生になっても4割のこどもは計画を立てていないことがわかりました。
つまり、「いつか1人でできるようになるだろう」というわけにもいかないようなのです。
ですが、計画実行力が高まるだけで、こどもの能力はぐんぐん伸びることが分かっています。
今回はそんな計画実行力を鍛える方法についてのお話しです。
計画を立てると能力は伸びる
勉強においても、スポーツにおいても、なにかを作る時も。
計画を立てる方が「良い」ことは、誰しもわかっていることだと思います。
実際、ベネッセ教育総合研究所の「小中学生の学びに関する実態調査(2014)」の結果では、計画を立てて勉強する人は、そうでない人に比べると成績上位者が多いことがわかっています。
社会人である私たち親も、自己計画や業務計画などを立てて、将来像をイメージしてから取り掛かりますよね。
段取りを決めた方がスムーズに進むし、無駄も少なくなります。
つまり、計画を立てることが大切なことは誰しも知っていることなのです。
それなのに、計画を立てることが苦手であったり、実行できない人が出てきてしまうのは何故なのでしょうか?
それは「成功体験」が不足しているからです。
計画実行力は訓練で伸びる
アメリカでは、ハーバード大学子ども発達センターが「子どもの実行機能を育むのは、社会の最も重要な責任である」と表明しているほど、実行機能は教育においても重要視されています。
計画を立てる力は、行動や思考、感情を制御する、脳の「実行機能」と呼ばれているものの一部だそうです。
他にも、計画実行力は生まれもった能力ではなく、幼少期から思春期にかけて訓練すればどんどん伸びると言われています。
つまり、計画実行力は訓練を繰り返すことで伸ばすのとが可能なのです。
先ほど「成功体験」が不足しているというお話しをしました。
かみ砕いて説明すると、「計画を立てて、それを実行して成功した回数が少ない」のです。
計画を立てても上手くいかなかった経験などから、計画を立てることからどんどん離れてしまう。
計画を立てたことが少ないため、計画の立て方が分からないなどの理由があがります。
他にも、計画を完璧に立てすぎたあまり、実行できず挫折してしまうなどもありますね。
そのために、「成功体験」が必要なのです。
そして、成功体験を積みながら計画実行力を育むには、親が土台を作ってあげることが大切です。
それでは、幼児からできる具体的な計画実行力の鍛え方を説明していきます。
幼児からできる具体的な計画実行力の鍛え方
親も自分の計画を立てる
このブログでは、「親も一緒にやる」ことを大切にしています。
どの記事でも、こどもは親の姿を見ていますと話していますが、親が手本を見せることが何より大切です。
そのため、親も自分の計画を立てましょう。
そして、親が計画を実行していく様子を見せることで、こどもの計画実行力を伸ばすことができます。
そのうえで、こどもの計画を一緒に考えてあげます。
簡単・実行できそうなことから始める
こどもの時間感覚は発達が遅いです。
なので、最初は計画を立てる時は「簡単・実行できそうなこと」から始めるようにしましょう。
そして、それぞれの行動にどれくらいの時間がかかりそうなのか、一緒に考えながら決めていきましょう。
まずは1日の計画から始める
前日の夜に、こどもに朝起きてから寝るまでに何をするのか、思いつくことをメモに書き出してもらいます。
- 起きる
- ごはん食べて、歯磨きする
- 幼稚園にいく
- 帰ってきてテレビをみる
- ごはん食べる
- お風呂と歯磨き
- 寝る
内容は具体的に噛み砕く
「宿題」や「遊び」ではなく、「宿題の内容」や「誰とどこに行く」など具体的に書くようにしましょう。
具体的な計画にした方が、こどもは実行しやすくなります。
- 7時に起きてベッドから出る
- 朝ごはんは残さず食べる、自分で上の歯も下の歯もきれいに磨く
- 自分でカバンを用意して幼稚園にいく
- 帰ってきたらカバンを片付けてプリキュアを見る
- 夜ごはんは野菜を1つは食べてみる
- パパとお風呂に入る
- ママに本を読んでもらって寝る
こんな風に具体的に決められると、行動レベルになるので達成しやすくなります。
こどもの成長に合わせて、具体的な目標になるようにサポートしてあげましょう。
振り返る時間を取る
成功体験となるかは、この振り返りがとても大切です。
計画を「達成できたかどうか」について振り返る時間をとって、達成できたところは思いっきり褒めてあげましょう。
すると、こどもは達成感を得られ、自信につながります。
これが成功体験です。
ですが、計画はいつも成功するとは限りませんね。
もし、達成できなかった時は責めるのではなく、原因を確かめるまでに留めましょう。
そして、次の計画を立てるときに生かせば、こどものやる気を引き出すことにもつながります。
そして、成功体験をどんどん積み重ねていきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
「計画を立てて実行すること」は勝手に身に付くことではないことをお分かりいただけましたか?
大人でも計画を立てたり、実行することに悩む人が多い世の中です。
親がこどもにしっかりと伝えてあげることが大切だと私は考えています。
もし、あなたも計画を立てるのが苦手であれば、こどもと一緒に成長していければ一石二鳥です。
「教育」は「共育」とも呼ばれますが、子育ては「共育」です。
「こどもの学びは、親の学び」
そう思って、幼少期から計画実行力を鍛えてあげていただけたら幸いです。