「妊娠は病気じゃない」
こんな言葉を耳にしたことはありませんか?
もしかしたら、すでに言われたことがある人もいるかもしれません。
確かに妊娠のイメージはプラスのイメージが強く、社会的に病気扱いはされません。
さらに、医学的にみても病気の分類はされません。
ですが、妊婦さんは病気並みの状態と身体の変化に向き合いながら、数ヶ月過ごさなければならないのが現実です。
確かに妊娠はおめでたいこと
でも、お腹の中で子どもを育てることは簡単なことではありません。
男性は経験できないことのため、特に理解が難しいかもしれません。
ですが、ママになっていく妊婦さんの身体の変化をしっかりと理解してほしいと思い、今回お話しします。
妊娠した瞬間から
妊娠経験者ならお分かりかと思いますが、『妊娠した瞬間から女性の体は刻々と変わり始めます』
つわり、体型の変化、お腹の張り、体の各所に現れる不調など
個人差はありますが、妊娠から出産、そして出産後までも人生で最大かつ最長の体調不良になります。
男性のみなさんには、なかなか理解できないかもしれませんが、つわりなど目に見えるものだけではない体の変化に女性は悩みながらも進んでいるのです。
妊娠は病気と同じ
最初にもお話しした、『妊娠は病気じゃない問題』
正直に言うと、妊娠は病気と同等です。
つわりは確かに病的と目で見て分かります。
ですが、ホルモンバランスの変化、妊娠期のみにでる糖尿病や高血圧などの疾患、前置胎盤など子宮内の問題など目に見えないリスクは様々です。
ですが、「妊娠は病気じゃない」というイメージにより、女性もその変化を特別視してはいけないような気持ちになってしまいます。
妊婦さんの多くに話を聞くと、「ムリしていたなぁ」「周りにあわせていた」という声をよく耳にします。
ですが、「今思えばもっと周りに頼って病人らしく振る舞ってよかったんだろう」という声もよく聞きます。
妊娠の身体の変化は、本当に大きいものです。
我慢せずにどんどん頼っていいんです。
あなた一人の命ではないのだから。
出産は大怪我と同じ
出産=痛い
大きさに差はあれ男女で共通の考えだと思います。
ですが、出産は自然な営みというイメージに包まれ、その痛み以外はあまり注目されません。
ですが、出産は個人差があるものの、痛み以外にも全体的に相当な気力とテンションで切り抜けるしかないものです。
自然分娩と言うものの、自然の一言で済まさないでほしいレベルで、気持ちも身体も強烈な負担がかかります。
しかも、出産が終わればおしまいではないのが現実です。
ここにギャップがあると思います。
実際の出産は
- 気力はフルマラソン後
- 会陰切開(赤ちゃんが出やすいように少し下のお口を切る)後の痛み
- 後陣痛(子宮が元の大きさに戻ろうとする)の痛み
- 子宮に押し広げられた部分(骨盤や筋肉など)の痛み
- 出血のためふらふらする
妊婦さんの中には、「産後すぐにすっきりと元通りになって何でも自分でできる」と思っているケースが多いみたいです。
しかし、産後すぐに元通りになることはありません。
実際は半年ほどかけて、ゆっくり戻っていくのが普通です。
核家族化が進む現代は、助けをなかなか受けづらい状況になってます。
だからこそ、女性自身が自分の身体のことを知って、休む必要があることをこの記事から理解していただけたら幸いです。
なぜなら、ここからが前回お話しした絶え間ない育児時間の始まりだからです。
授乳がこんなに大変だったなんて
妊娠と出産で傷ついた体に追い打ちをかけるのが「授乳」です。
これも産前はあまり意識されないことですが、実はものすごく身体に負担がかかります。
特に母乳の場合は、もともと皮膚が弱い箇所を継続的に吸われ続けるので乳首のトラブルに繋がり可能性もあります。
さらに、授乳中の乳首はすぐに張って痛くなりますし、乳腺炎などのトラブルが起きることもあります。
それに加えて、授乳時の中途半端な姿勢は、肩や腰のトラブルにもつながります。
授乳期はよくお腹がすくと聞きますよね。
それだけではなく、体の水分が吸われるように喉が渇いたり、独特の消耗感があるそうです。
これだけ体に負担がかかる授乳です。
母乳も大切ですが、ママ以外が哺乳瓶でミルクをあげられるようになるといいですね。
搾乳しておいた母乳をパパが哺乳瓶であげるのもいいでしょう。

母乳だけで育てられないと母親失格に感じるかもしれません
ママが母乳栄養の利点を活かしたいと思う気持ちはわかりますし、それを否定するつもりはありません。
先ほど言ったように搾乳をしといた母乳を夜パパがあげても良いです。
それでも気負ってしまうことはあると思うので、実際どの程度の人が母乳だけで育児しているか、厚生労働省の平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要を見てみましょう。
『生後1ヵ月の時点で母乳栄養は51.3% 、3ヶ月の時点で54.7%』です。
つまり、残りの約半分のママはミルクと母乳の混合か、ミルクだけなのです。
この数字を見て少し気持ちが楽になってもらえたらいいなと思います。
過酷な睡眠不足
身体の変化で1番重くのし掛かるのは「睡眠不足」
「3時間でいいからまとまって眠りたい」
育児初心者のママからよく聞く切実な想いです。
残念ながら、昼夜の区別がつかない新生児は、ママがまとまった睡眠時間をとることを許してくれないのが現実です。
新生児期のママのイライラの大部分は、睡眠不足からくるものと思うほど。
それくらい眠れません。
赤ちゃんの泣き方は人それぞれだし
なぜか夜中に目をパッチリさせて遊びだす
と思ったらお腹が減ったのか泣きだすなど
長期的にまとまった睡眠時間が取れない事は結構「まいります」
だからこそ、旦那さんに哺乳を一回でも代わってもらえたら精神的にも楽になれますね。
まとめ
いかがでしたか?
今回のシリーズのお話しは、暗い気持ちになる話がほとんどです。
ですが、それくらい妊娠も出産も育児も大変ということ。
女性がそれをしっかりと理解してコントロールできるようにしていくことが大切です。
旦那さんの教育ももちろん大切ですが、女性が正しい知識を持って旦那さんに助けを求められるといいですね。