こんにちは、みのっちです。
今回は赤ちゃんのお薬の飲ませ方についてお話ししようと思っています。
みのっちは小児看護師として、7年働いています。
年間で約200人ほどの赤ちゃんと関わっているので、これまで1000人以上の赤ちゃんをみてきています。
先日、患者さんのご家族からお薬について質問があったので、今回ブログにしてみようと思います。
現在、内服をしているお子さんを持つご家族の疑問にお答え出来たらと思います。
- 赤ちゃんが飲む内服について分かる
- 赤ちゃんの胃の特徴が分かる
- 赤ちゃんの上手な内服方法が分かる
赤ちゃんが飲むお薬について
まず、お薬の種類について説明していきます。
赤ちゃんのお薬は基本的に「散剤」と「水薬」と「坐薬」です。
今回は飲ませ方なので、坐薬以外のお話をしていきます。
では、それぞれの特徴を説明していきます。
散剤
いわゆる「粉薬」です。
小学生までの子どもで、お風邪をひいた時などに飲んだことがあると思います。
基本的には粉をお水に溶いて飲むか、粉を口に含んでお水で流すかで内服します。
粉のお薬ため、口に入れると溶けやすく苦みを感じやすいのが特徴です。
赤ちゃんの場合は、水に溶いて内服させるので、溶けやすいことはメリットとしても受け取れます。
水薬

いわゆる「シロップ」です。
これも幼い時に飲んだことがあると思います。
赤やオレンジ色などカラフルなお薬がありますね。
水薬は甘く作られているので苦みは感じにくいのが特徴です。
しかし、糖分は含まれているため、とろみがある分飲みにくさがあります。
内服のタイミングについて
生後6か月未満の赤ちゃんが入院すると、お薬を哺乳やご飯の前にしましょうと言われることがあります。
これにはちゃんと理由があります。
それを理解するためには、赤ちゃんの胃の構造を理解する必要があるのでこれから説明していきます。
赤ちゃんは吐きやすい~胃から逆流しやすい~
まず、当然ですが大人は逆立ちをしても食べたものが逆流して吐いたりしませんよね?
これは胃の入り口に弁があり、逆流しないようになっています。
ですが、赤ちゃんは未熟なのでこの弁がしっかり機能しません。
なので、おむつ交換でお尻を上げたりするだけで吐いたりします。
他にもげっぷをさせると少しミルクを吐くことがありますが、その原因も弁の機能が未熟であるためです。
赤ちゃんは吐きやす~胃の容量が少ない~
もう一つの理由は、赤ちゃんは胃の容量が成人に比べて少ないことです。
赤ちゃんは小さな胃の容量のギリギリまでミルクを飲みます。
なので、泣いたり咳き込んだりした拍子におなかに力が入ると、弁で抑えきれず吐いてしまうというわけです。
ひと先ず、赤ちゃんは吐きやすいということは理解していただけましたでしょうか。
では、ミルクを飲み終わって落ち着いた赤ちゃんに苦いお薬を上げたらどうなるでしょうか?
まず、泣きますね。
そして、粉が混じった水分がお口にたまって咳き込みます。
さて、もうどうなるか分かりますね?

せっかくお腹いっぱいになったのに、すべて吐いてしまう可能性があります。
そうなると、赤ちゃんもお母さんも悲しい気持ちになりますね。
なので、お薬は哺乳の前をおすすめしています。
具体的な飲ませ方
ここでは簡単ですが、赤ちゃんのお薬の飲み方についてお話していこうと思います。
①粉薬は水で溶きましょう

さすがに粉のまま赤ちゃんに飲ませる人はいないとは思いますが、粉薬は水で溶いてあげましょう。
だいたいですが、一包に1mlほどで問題ないと思います。
スポイトなどの目盛りで測ってもよいと思います。
②スポイトで口角から少しずつ流す
お薬が溶けたらスポイトで吸って、飲ませてあげましましょう。
口角にスポイトを当てて、舌の上にお薬を乗せるように少しずつ流していきます。
口の中にたまりすぎないように少しずつ入れてあげてください。
ごっくんができたら、次のお薬を入れてあげましょう。
③ごっくんする時は首を前に傾けよう
口にお薬がたまったら次はごっくんです。
ごっくんする時に首の向きを気にしたことはありますか?
個人的におすすめするのは、首を前に傾けることをおすすめします。
頭が後ろに下がるようにすると、気道に流れやすくなります。
救急蘇生の練習を一度経験したことがある方なら分かると思いますが、気道確保をする時はあごをあげるようにしますよね。
これは、気道に空気を入れやすいようにするためです。
なので、頭が下がっていると飲んだお薬が気道の方へ流れやすくなり、むせに繋がります。
なので、あごが胸に近づくように首を前傾させることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、
- お薬は哺乳の前にする
- 赤ちゃんは吐きやすい
- むせないように飲ませる方法
これについてお話しました。
お薬の飲み方は成長するとその人さまざまですが、赤ちゃんの時はミルク前をおすすめします。
せっかくミルクを吐いてしまうと勿体ないですし、場合によっては肺炎にもつながる可能性がありますので注意が必要です。
吐かせない方法で赤ちゃんがしっかりお薬を飲めるようにしてあげてください。